「無題」  伊藤 さなえ さん (4東2)

 「お話しポッケの会」毎月第3土曜に改善センターで絵本の読み聞かせを開催。亡き友人に誘われ4年が経った。今は自分の子も大きくなり、小さな子とふれあえる楽しい時間だ。ただ、やるとなると本選びが悩むところ・・。
 見聞をひろげようと思っていた所、動物園読み聞かせのチラシを見つけ動物園通いを始めた。ふれあい牧場横にある図書館。ずいぶん前からあったのに初めて入った。
 月に1度、動物の絵本を読んだ後、獣医さんが本に出てきた動物についての説明や、動物の前で体の働きなどを教えてくれる。行く度に新しい発見があり楽しいこと。会が終わると園内を廻る。あちこちに元飼育員で絵本作家のあべ弘士さんの絵や看板がある。実は私、「あらしのよるに」以来オオカミ好き。
 「オオカミの森」の壁面には直筆の「エゾオオカミ物語」が文章とともに描かれている。絶滅したエゾオオカミを感じつつ、カナダから来たシンリンオオカミに会いに行く。今は、子オオカミも展示が始まり、ある音楽が流れると、みなで遠吠えを見せてくれる。かっこいい!こうして私の動物園通いは、絵本きっかけで大好きなオオカミに会え、運動にもなり、新しい発見と出会い、一カ所で3度もおいしい場所となった。
 子どもたちだけでなくぜひ、大人の方にも絵本を読んでいただきたい。1ページを何分もかけて見たい美しい本、ゲラゲラ笑える本、涙が出るほど切ない本。昔に読んだ時とは違った想いを感じるのではないかと思います。
 良い本に出合えたら、ぜひお子さんやお孫さんを膝にのせ本を読んであげてください。ほっこりと温かぁい気持ちになりますよ。

(2012年8月号・広報とうま掲載文より・第68回エッセー)