「パカパカケータイ」 宍戸友裕さん(4南3)

 あ、電話きた…パカ。
 メールきたかな?…パカ。
 かれこれ7年もの間、私を公私ともに支えてくれたお気に入りの携帯電話は、パカパカと開閉する古いタイプのものです。特段大切に使っているわけでもないですが、壊れたことはありません。充電だって満タンにしておけば3日は持ちますし、長年の使用で付いたキズや塗装の剥がれには愛着さえ感じます。
 現在は画面をタッチして操作するアイフォンやスマホといった機種が主流となっているため、私の携帯は「古!今どき珍しいね。」などと笑われることも多々ありますが、全く気になりません。むしろ自慢したくなるほど好きなんです。
 私はケータイに『通話』『メール』機能があれば満足で、インターネットは不要です。ついでにカメラなんて付いていれば気分はもう最高潮です。
 ケータイの普及と共に『SNS依存症』という言葉をよく耳にしますが“楽しいことにハマる”という意味では共感できる気がします。私自身、好きなことは止められませんし、人との繋がりは本当に大切なことだと思います。
 ただし、「ケータイ(インターネット)の中まで繋がっていたいか?」「24時間、誰かと繋がりたいか?」と聞かれたら、私はイヤです、絶対NOです。そこまで誰かに興味はありませんし、自分のことを知られたくありません。
 自分の時間は何にも囚われることなく自由でいたいのです。そして、誰かが隣にいるときは、その人との時間を大切にしたいのです。誰かと顔を合わせたときに「こんなことがあってさ~」「マジか!?」なんてワクワクしながら笑える方が楽しくありませんか?ケータイの文字で知るよりも、会話しながら笑顔を交わす方が好きなのです。
 あと何年もつか、私のケータイ。もし、いつか壊れても、もちろん次も持ちますよ、『パカパカケータイ』。


(2015年6月号・広報とうま掲載文より・第99回エッセー)