「五月晴れゆれるシッポと小さな願い」   ちゃちゃ丸 代筆 佐々木京子さん(3東4)

 僕はちゃちゃ丸、2才の誕生日が過ぎ人間でいえば24才のワンコです。
 僕の好きなものは、メロンにりんご、そして散歩。神社の周りや図書館へ行く道、銀行への道もなかなか良いけど、一番は小学校のグランド。夏の夕方、野球の練習をするお兄ちゃんたちを見ると嬉(うれ)しくてシッポが大きく揺れちゃう。去年はとうとう一度参加してしまいました。みんな「ワーッ 犬だ」。驚いていたけど、仲間になった気分で走り回っちゃった。
ヘヘッ失礼しました。夜に近づくと夕焼けと小学校校門の付近のほたるみたいなキラキラが最高。秋の朝は青空とこぼれ落ちたイガイガの栗。おもしろいよ。
 僕の故郷は沖縄です。父や母、兄弟たちが暮らしています。僕はこんなにのんびり幸せに暮らしているけど家族はどうだろう。基地の近くでヘリコプターの大きな音に驚いたり、大切な海が埋め立てられることに心配していないかなァ。青空がどこまでも続いているようにみんなの心もつながっていれば故郷に住むみんなも安心で幸せに暮らすことがきっとできるのに。温かな春の日差しと一面の黄色のタンポポをみているとフトそんなこと思ってしまう僕でした。
僕はちゃちゃ丸。シッポをふりふり今日も元気にお散歩します。

(2010年5月号・広報とうま掲載文より・第43回エッセー)