「あれから6年」伊藤和久さん(東1)
あれから6年が過ぎた。
「あれから」というのは、もちろん東日本大震災と、世界史上最悪の核汚染を引き起こした忌まわしい福島第一原発4基の爆発事故のこと。
南三陸の亡き祖父母の家を根こそぎさらった地震と津波は、各地の沿岸を容赦なく薙ぎ払っただけでなく、一日運転するとヒロシマ原爆3発分の放射能を生成するという原発4基を破壊し、東電が認めているだけでも初期の爆発分でヒロシマ原爆約168発分の放射性物質の粉を撒き散らす空前の大惨事となった。その後も延々大気中に一日2億4千万ベクレル放出し続け、海洋にもそれを遥かに上回る汚染を漏出し続けている真っ最中である。セシウムだけでも首都圏平均約800Bq/Kg、宮城でも平均650Bq/Kgが計測されているのだから凄まじい汚染だ。
そういう中に、我が家の運命も巻き込まれた。でも今、信じてやってきたことは間違いなかったと思えている。4人の子供たちはみんな元気に生き抜いていて、この時代の中にいるという認識をしっかり持って歩んでくれている。
すでに個人的にも東京~東北広範囲からの避難移住者の方々200名近くと交流があり、その不安や健康被害の現実を目の当たりにしている。だからこそ、僕たちが今、やるべき必要なことがある。長女もその流れの中で、自らの食を自らの手で得る術を学びたいと、共に田畑で汗を流すことを始めた。
当麻の美しい自然に囲まれながら、大きな流れを見逃さず、過酷な時代を軽やかに生きたいものだと思う。
(2017年3月号・広報とうま掲載文より・第118回エッセー)
「あれから」というのは、もちろん東日本大震災と、世界史上最悪の核汚染を引き起こした忌まわしい福島第一原発4基の爆発事故のこと。
南三陸の亡き祖父母の家を根こそぎさらった地震と津波は、各地の沿岸を容赦なく薙ぎ払っただけでなく、一日運転するとヒロシマ原爆3発分の放射能を生成するという原発4基を破壊し、東電が認めているだけでも初期の爆発分でヒロシマ原爆約168発分の放射性物質の粉を撒き散らす空前の大惨事となった。その後も延々大気中に一日2億4千万ベクレル放出し続け、海洋にもそれを遥かに上回る汚染を漏出し続けている真っ最中である。セシウムだけでも首都圏平均約800Bq/Kg、宮城でも平均650Bq/Kgが計測されているのだから凄まじい汚染だ。
そういう中に、我が家の運命も巻き込まれた。でも今、信じてやってきたことは間違いなかったと思えている。4人の子供たちはみんな元気に生き抜いていて、この時代の中にいるという認識をしっかり持って歩んでくれている。
すでに個人的にも東京~東北広範囲からの避難移住者の方々200名近くと交流があり、その不安や健康被害の現実を目の当たりにしている。だからこそ、僕たちが今、やるべき必要なことがある。長女もその流れの中で、自らの食を自らの手で得る術を学びたいと、共に田畑で汗を流すことを始めた。
当麻の美しい自然に囲まれながら、大きな流れを見逃さず、過酷な時代を軽やかに生きたいものだと思う。
(2017年3月号・広報とうま掲載文より・第118回エッセー)