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2025年10月

木のぬくもりが結ぶまちとまち( 当麻町と東川町が連携)

10月1日、当麻町と東川町が「当麻町木材の提供に係る連携協定」を締結。式には菊地 東川町長、長谷川 東川木工会会長、白川 上川総合振興局林務課長、当麻町から小川原 当麻町森林組合代表理事組合長、小島 アイト産業代表取締役をはじめ、両町の官民関係者が顔をそろえ、地域の未来を見据えた新しい一歩を共有した。

今回の協定により、東川町内の事業者が当麻産の広葉樹材で家具や木工製品を製作し、東川町内の小中学校の机やイスとしても活用される。また、当麻町のふるさと納税返礼品にも加わる予定であり、両町の魅力発信と地域経済の活性化に直結する。官民を超え、自治体同士が力を合わせる新しいモデルとして期待される取り組みである。

当麻町の森林面積は約13,000ヘクタール。町の65%を森林が占め、そのうち町有林は約4,400ヘクタール、その中でミズナラなど広葉樹を主体とする天然林が約2,700ヘクタールに及ぶ。

「林業の町・木育の町」として、銘木市への出材を通じた高付加価値販売に取り組み、家具や工芸品に活用できる良質材として市場で評価されてきた。

さらに取り組みを進め、銘木市に出すほどの高級材ではないものの、十分に活用可能な材を流通経路にのせる仕組みづくりに挑戦。これまでパルプ材などとして一括取引されることが多かった広葉樹を、町が責任を持って家具や建材に使える良質な材を選別し、付加価値を高め販売する「町産材ストック供給事業」を令和6年度に新たに立ち上げ、官民が一体となって選別・製材・乾燥・保管を行う、安定的な供給体制を築いた。

東川町は、日本五大家具のひとつ「旭川家具」の重要な産地。家具職人の仕事場や木工体験ができる「クラフトピア」を整備するなど、木工家具文化を高めてきた。

菊地町長は「東川町産の木材の供給ではいまひとつ十分な状況ではない中で、地域の材をどう生かすか、隣の当麻町産木材を使わせていただくのは、本当に大きな意味を感じている」「家具の町としての発展につながる」と語られた。
森林資源の価値を高めてきた当麻町と、木工家具文化を磨き上げてきた東川町。両町の交流と信頼が一層深まり、次世代に誇れる持続可能な林業・木材産業・家具製造産業の未来を官民連携の力で、共に切り拓いてまいりたい。

当麻町長 村椿哲朗(広報紙我が郷土 令和7年10月号掲載)